施設でする看取りについて

あるとき、夕方からの面談を終えて事務所に帰った時。

 

(あぁ〜、定時過ぎてるー)

 

さっさと用意して帰ろうと思っていたら、デスクに一冊の本が。

 

「安楽死特区」

 

翌日事務所の人に話を聞いてみると、Drから「男に貸してやってくれ」と言って置いて行ったと。

(男って僕のことらしい)

 

Drにお礼を言おうと部屋に行くと、「うちの施設で看取りをするとき、本人の同意は取ってないけど、それについてはどう思う?」と聞かれた。

 

返事に困っていると、「まぁ読んでみて」と。

「安楽死特区」とは

ここでその借りた(押し付けられた?)本のことについて少し。

 

大体の話の流れはこんな感じです。

 

〜東京オリンピック開催の数年後、引き続き経済状況が悪化していく日本において、一部利用されなくなったホテルなどを国が買い取り、安楽死を認める「特区」を作るというもの。その安楽死特区を巡る様々な登場人物の人間模様を描いた作品。

 

とそれっぽいレビューを真似てみればそんな感じですが。

 

末期癌の政治家やホスト、若年性認知症の小説家と秘書、進行性の不治の病にかかる薬剤師と写真家…特区で薬剤の処方(処方なのかな?)や死亡確認をする医師の物語も描かれていて、一気に読めました。

 

内容については馬鹿な僕でももう少し書けますが、本題はそこじゃないので、気になった方は読んでみて下さい。

 

 

 

 

 

施設での看取りについて

施設で看取っていくにあたっての「本人の同意」について。

 

Drからのお題はこれでした。

 

なぜこの振りでこの本を貸してくれたのかなーと思ったんですが、読んだら分かるんですけど、いずれの安楽死希望者も「自分の意識がはっきりしているうちに死にたい」「自分らしく過ごせるうちに死にたい」というニュアンスが多かったと記憶しています。

 

その中では「リビングウィル」も出てきます。(わからない人はググって下さい)

 

施設で過ごしているお年寄りは、基礎疾患は色々お持ちであっても、基本的には「老衰」です。

 

僕が働く施設では、食事・水分が取れなくなってきたりすると、家族に対して希望を聞きます。

 

「施設で最後を過ごしますか?病院で最後を過ごしますか?」という具合です。

 

まぁ95%くらいは説明を一通り聞いたあとに、「慣れた場所で最後まで過ごさせてあげたい」ということで施設での看取りを希望されます。

 

この本を読むまであまりこの流れに疑問を持ちませんでしたが、本人にしてみたらどうなんでしょうか…

 

「一瞬でも良いから家に帰りたい」「直前に苦しい思いをしたくないから、病院が安心」とか、体力や認知機能の低下によって表出できない状態になっているだけで、実は違う結末を望んでいるかもしれない。

 

きっと慣れている場所が幸せだろう…と勝手に決め付けているだけなのでは?

死にゆく人の気持ちを勝手にイメージして、死にゆく人をなるべく納得して見送りたい周りのエゴなのでは?

 

ではどうすればいいだろう…

 

ポイントは、「ここだ!」というタイミングでは本人は意思表示ができないことが多いということ。

 

では、「ここだ!」の前に意思表示してもらわないといけない。

 

日本で問題なのは、「どうやって死にたい?」と本人に聞くことって、なんか「もすうぐ死ぬ」ことを連想させるような感じがあって「失礼」というか、申し訳ない気持ちになるところだと僕は思います。

 

じゃぁどうすれば…

 

結果、「自発的に表明していくこと」が大事なんじゃないかと思います。

 

まとめ

 

死ぬことを後ろ向きに捉えるのではなく、死ぬことは自然なこととであると捉え、向き合っていくような文化が必要だと思います。

 

作中にはチベット地方の話しが出てくるんですけれど、チベット地方の人は我々のイメージする整った医療もなければ、死ぬことを避けようとする文化もない。自然な流れとして受け止めていると。

 

それが正しいということではないが、かといって「死ぬ」ということをタブー視している状況は、少なからず終末期を不幸にしてる要因なんだなと改めて思いました。テレビや新聞なども盛大に取り上げすぎなんだと。

 

まぁ、人間はそういう共感を求めやすい出来事って何かと注目しますから…

 

資本主義社会である以上はこの価値観は根本的に解決することはないんだろうなーと思います。

 

何となく、この話の理想型って資本主義か社会主義かで分けると、社会主義っぽいなーって思います。

 

伝わるかな?ちょっと飛躍しすぎました。すみません。

 

でも自分の気持ちの整理だと思ってこのまま書き記しておきます。

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